8月3日(水)第6回ご隠居カフェまちづくり交流研究会が開催されました。
今回のテーマは、「市民参加型まちづくりワークショップの原理と手法を学ぶ-1」
これまで、藤原惠洋先生のお話が聞くことが中心でしたので、
少しずつ「市民参加型」とはどういったことなのかを、
ご隠居カフェの中で実際にやってみようという講座の1回目です。
ご隠居カフェでは、おもに「まちづくり」の話を基本に様々な角度から日田のまちを見てみたり、「市民参加の社会とは?」といったことを学んでいます、
しかし、それは、単に「まちづくり」の為というよりも、自分達がどんな生き方、暮らし方をここでやっていきたいかという哲学・考え方・思想のようなものを持つということが重要なのだと感じます。
ただし、それは日常生活ではすぐに役に立つというものではなく、それよりもどんなものが売れるかとか、どうやったら経営がうまくいくかという話の方が、即効性があり、魅力的です。
遠い道のりかも知れませんが、日田ラボでは、漢方薬のような感じで、
暮らし方からまちそだてまでを考えていけるようなお話を続けていっています。
さて、藤原先生の話しの中に度々、登場するヘンリー・サノフ先生によれば・・・・
「環境・行動研究が積み上げてきた知見を有効に活用し、デザイン、計画、研究、参加を統合することによって、新たなパラダイムとしてコミュニティ・デザインが提案されている。
人々がより深く建築に関わっている感じるようになればなるほど、我々専門家が建物にたずさわる価値が感じられるようになる。
施主である人々の参与の増大によってもたらされる建築的良心の拡大は、審美的なコントロールの厳密な適用よりも、良い建築へと導く。
もし建築が、常に変化し急激で容赦のない展開をする時代とともに花開き進歩するものであれば、その創造の過程において革新的な活力をもってその社会をパートナーとせざるを得ない。」
ということらしいのです。(難しい・・・・)
もともとヘンリー・サノフ先生というのは、建築家で、ノースカロライナ州立大学の先生です。
何故、建築家の先生がわざわざ市民参加のワークショップなどをするのか?
それは、藤原先生も同じなのですが、「建築の企画や設計に住民の意志を反映させる」ことが、より建築物を身近に感じてくれる。
そして、都市を形成する建築物を身近に感じれば、市民が都市(まち)を同じように身近に感じる。ということのようです。
ヘンリー・サノフ先生講演会 記録を見つけました。
ちなみに、ヘンリー・サノフ先生とは・・・
アメリカ ノースカロライナ州立大学名誉教授
建築・環境の企画・設計に住み手の意志を反映させる方法として『デザイン・ゲーム』を開発し、住民との協働作業としてのまちづくりに長年取り組んでおられます。
アメリカ、フランス、韓国、日本など世界各地において、現在も精力的に活動を展開しています。
著書として「まちづくりゲーム~環境デザインワークショップ~」(晶文社)小野啓子 訳・林泰義 解説等。
というわけで、「市民参加のまちづくり 合意形成」の話。
みんな、合意形成と言うと、賛成か反対を多数決で決めるのが民主主義だと思いがちですが、
簡単に多数決で決めてしまうことほど、後で、問題が出てしまうことが多々あるようです。
例1)大きな考え方:AとBの意見の相違や対立があったとき
1.自分達の手の内を見せておく→情報開示
2.情報の共有
3.AとBそれぞれ自分達にとって一番重要(譲れない)事を議論する。
4.その後、ゆっくりと階段を上るように意見を絞り込みながら、ひとつをめざしてまとめていく
この最後の意見の絞り込みに関しては、すぐに多数決で決めない、少数派の意見の中にも優れた観点や着想が隠れているかもしれないことを尊重しあう、まだ出ていない重要な視点は他にないか、発言がないものの何か意見や考えを持っている人はいないだろうか、今参加していない立場の人の意見や発想は加えておく必要はないだろうか、など。
日頃、私たちは「合意形成」というと、意外に簡単に多数決で決めてしまったり、
欠席裁判のようなことを平気でしたり、少数派やここにいない人のことをないがしろにしていることが多いなぁと感じました。
さらに、話し合いをするときに、「司会進行をする」というだけではなく、
どんな意見を出させるようにするか、全体に気を配りながら、進めていくファシリテーターの役割が重要だと思いました。
また、意見を出し合うコツとして、最初に「ゆるやかな関係づくり」をします。
日田ラボでは、名札に「○○が気になっている ○○から参加した ○○○○です」というのを記入してもらいます。
毎回違うことを記入してもらうなどの工夫をしていますが、
自己紹介するときのきっかけとしても便利です。
今回は、まちづくりの達人か素人か、男性か女性か、年齢はというのを一目でわかるように模造紙にポストイットを貼って貰いました。
一目瞭然です。おおっ。
今回は、第一回目ということで、入口の入口でした。
次回は、もう少し具体的に、手法・方法論を学んでいきます。
毎回、ご隠居カフェ終了後は、交流会。
持ち寄りの一品や差し入れをいただきながら、ご隠居カフェの感想や意見をいってもらいます。
次回の日田ラボは、「日田ラボ夏の音楽祭」です。
お散歩がてら、遊びに来て下さい!!
日田ラボスケジュール
◆8月31日(水)19時~
第7回 ご隠居カフェまちづくり交流研究会
日田ラボ夏の音楽祭~日田ラボと音楽と残暑を楽しむ夕べ~
◆9月14日(水)18時~
第8回ご隠居カフェまちづくり交流研究会inパトリア日田ギャラリー
「日本全国スギダラ倶楽部の活動とスギの可能性」
講師:日本全国スギダラケ倶楽部
◆10月5日(水)19時~
第9回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
「市民参加型まちづくりワークショップの原理と手法を学ぶ その2」
◆11月9日(水)19時~
第10回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
「バリ舞踊公演」~日田ラボで楽しむバリの芸術~
講師:小谷野哲郎ほか
◆2012年3月11日(日)
第10回ご隠居カフェまちづくり交流研究会inパトリア日田小ホール
シンポジウム「地域再生の3つのてがかり~文脈・矜恃・紐帯~」
パネリスト:藤原惠洋ほか
日田ラボに、こんなものがあったらイイナ★
近所をぐるっと散策できる自転車!
みんなで懇親会をする時の準備に、お鍋!
たまにご飯を炊きたいので、炊飯器!
割り箸じゃなくて、お箸!
暑いときに・・・うちわ!
コーヒーメーカがあるとコーヒーが飲めるなぁ・・・・
など、なんとなく、待ってます・・・(^^)
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◆日田ラボの場所/
「旧横尾家 下の隠居家(シタンキャ)」
日田市三和天神町252 ※旧街道沿いの建物です。(天神郵便局斜め向かい)
◆主催・お問い合せ
Q大日田ラボ/九州大学大学院芸術工学研究院藤原惠洋研究室
電話・FAX 092-553-4529
keiyoあっとまーくdesign.kyushu-u.ac.jp
まちそだて交流機構・日田ラボ/タカクラ 090-2395-4593
kako3あっとまーくlime.ocn.ne.jp
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