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第17回 ご隠居カフェまちづくり交流研究会

今回は、日田ラボ+パトリンク 共催で特別講演会を開催しました。
講師は森山奈美さん。
石川県七尾市にある民間のまちづくり会社 ㈱御祓川の代表取締役をされています。
昨年、日本全国スギダラケ倶楽部の講演会を開催した際に、代表の南雲勝志さんに「絶対に一度会った方が良い。」と言われたのが森山さんです。
その後、早速アポをとり、七尾市まで会いに行きました。
森山奈美さんをはじめ、家族みんながまちづくりに関わっているという、とても素敵ご家族でした。
その時に、是非一度日田に来て欲しい!日田のみんなに紹介したい!と盛り上がり、すぐに実現してしまいました。
このスピード感は、ただ単に「早い」のではなく、パズルのピースがカチッとはまるようにスムーズに進んでいきました。

今回、森山さんには前日に鹿児島でお仕事があり、JRにて久留米経由で日田に来て貰いました。
講演会までの時間、豆田や日田ラボを少しだけご紹介して、見て頂きました。
町並みを見ながら、とても良いところですねと言って貰うとやはり嬉しい。
森山さん家族が語っていた「七尾市への愛着」のすごさと比べたら、私なんてそんなに・・・と思っていましたが、
やはり日田のこと、好きなのかなと思ったりします。

さて、午後6時30分からの講演会には、30人ほどの方に来て頂きました。

逆さの日本地図を見ながら、何かわかりますか?見たことありますか?
日本地図っていうのは、何となくわかるけど・・・・という感じの会場に
見慣れた向きを変えただけで随分と印象が変わりますよね?と森山さん。
確かに、その何だか違う感じというのは、まちに関わる時に、様々な視点から見る事の大切さに
繋がるような気がします。

森山さん達の会社、㈱御祓川が出来る前のこと。
昭和の終わり、七尾市ではJCによる「マリンシティ構想」という港とまちを一体的に元気にしよう!という構想が作られました。
江戸時代から、昭和の中頃まで大変賑わっていた港が、昭和の終わりには手が付けられないほど元気がなくなってしまった。
もしかしたらこれから100年後には無くなってしまうのではないか?
そんな危機感から生まれた「マリンシティ構想」は、港の物流そのものの賑わいは取り戻せなくても
別の賑わいで町を活性化しようと平成3年に能登食祭市場、平成7年にパトリア(再開発ビル)を作りました。
港と町(七尾市駅前周辺)が、近いと言っても、無計画にいわゆるハコモノを作っても、後に続きません。
点を線に、さらに線を繋ぎ面へのシナリオを作っていきました。
ここで重要なのは、行政からさせられたのではなく、「市民が自分達で作っていくんだ!という気持ちと覚悟と行動。
そして、自分達で資金を集め、株式会社を立ち上げました。

七尾市の中央を流れる「御祓川」を七尾文化を支えるシンボルとして「ちいさな世界都市ななお」を目指し取り組んでいきます。
「小さな」というのは、七尾のまちそのもの。
そして「世界都市」というのは、ニューヨークや東京のような「世界都市=大都市」ではなく、
世界へ通じる考え方・サービスを持つまちという意味だそうです。

日田でもそうですが、昔は、自然と循環していた川の水が、いつしかよどみ、汚くなってきました。
御祓川も例外ではなく、川で遊ぶ子どもも減り、市民そのものがあまり近寄らなくなった。
そこで、「川と市民の関係を取り戻す」ために、
昭和の終わりのマリンシティ構想を軸にさらに深く広く進めていきます。

活動の3つの柱、マチ・ミセ・ヒト
①まち育て・・・昔きれいだった御祓川をみんなできれいにしよう!と大学と連携して御祓川研究会を発足。
        さらに、川への祈り実行委員会を作り、川の浄化に取り組んでいます。
②ひと育て・・・ふるさとの川セミナーやキャンドルナイトを市民か企画してまちを楽しむサポートをしたり、
        橋の架け替えなどには、テーマを持たせ、市民参加で考える仕組みを作っています。
③みせ育て・・・川沿いに良い店を!ということで、㈱御祓川が管理する建物に、
        定休日はライヴハウスに変身する美容院があったり、ギャラリーや地元の醤油「いしり」を楽しめる飲食店があったり
        イベントとともにまちの中の経済活動の一端を担っています。

川が浄化し、自然資源が活用されれば、一人でもまちの人が川に近づいてきます。
そして川沿いに店があれば、そこで買い物をしたり、何かしらの経済活動が行われます。
そこで行き交う人たちの交流が生まれていけば、ぐるっと3つの柱がつながり、持続可能な社会へとなっていきます。

また、ここから発展した現在では、能登スタイルというサイトを運営。
ここでは、能登の美味しいものから、工芸品、さらに商品開発まで関わったものなどがズラリと並びます。
素晴らしい商品があるのに、地元以外への情報発信が難しい方や店のサポートという一面もあります。
そして能登留学という学生のインターンシップ受け入れサポートも始めています。
実際にインターンシップで4ヶ月間働いた学生の提案で、地元のスーパーに新しいコミュニティが生まれたということもありました。

㈱御祓川は、国・県・市の行政や企業・学校・市民団体・商店街・個人さまざまなヒトやモノやコトをゆるやかに繋いでいくことを
自分達のミッションとしているようです。

さて、ここでまちづくりには2つの形があります。という森山さん。

A まちづくり会社型
  主体がはっきりしていて、自己責任。自分達で債務保証もする。
  リスクもあるけど、「やる」という覚悟がハッキリしている。
  スピードがあり、行動も起こしていく。
────────────────────────────────
B ワークショップ型
  みんなで楽しむ。ゆるやかな関係。
  あまりお金はかけず、時間をかけながら、取り組んでいく。

どちらか一方で取り組んでいっても、上手く進みません。
そこは、バランスが必要。
Aは、行動力はあってもそこに関わる人たちだけになっていき少数精鋭になっていくこともあります。
そうすると「関わった人たちだけのまち」になってしまいます。
Bは、みんなで楽しむことは大切ですが、責任がない分、振り返りや反省なく、
次の展開に繋げていくことが少し難しくなります。
ただ市民参加にはハードルを下げ、「参加しやすくする」ことも重要です。
どちらも大切ということです。

そして地域の問題をどうやって解決するか?ということには、
①哲学(繋がりと関わりをつくり、意識させる存在)
②技術(資源のやりくり・地域経営)
③行動
が必要とのこと。
きちんとした理念をたて企画し、誰がどう動いていくのか、どう動かしていくのか。
芯がしっかりしていれば、大丈夫ということのようです。
「どんなまちにしたいのか」「どんなまちで暮らしていきたいか」を考え、
一人一人が地元自治に関わっていくことは、なんと「幸福度」にも繋がっていくとのこと。

七尾市の人口を増やしたいのではなく、「地元住民の質を高める」という森山さんの言葉には、
「自分のまちに納得して住み暮らす」という当たり前だけど、
意外とおざなりにしている日々の暮らし方を、きちんと見つめ直さなければという気持ちになりました。

最後に審議応答の時間やプチ交流会も盛り上がりました。
どんなささいなつぶやきにも、耳をかたむけていきたいと思いました。

お忙しい中、日田に来て頂いた森山奈美さん、
また、ご来場のみなさん、パトリンクのみなさん、市民活動支援室のみなさん、ありがとうございました。
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by uk-jp | 2012-01-30 18:04 | 日田ラボ
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