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第16回 ご隠居カフェまちづくり交流研究会

◎1月18日(水)
第16回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
「市民参加型まちづくりワークショップの原理と手法を学ぶ その5」
場所:日田市天神町の日田ラボ(旧横尾家シタンキャ)。
参加者:22名(多数の初参加の方々をお迎えしました!)
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2012年新しい年を迎えて、年末年始、海外に出てしまった藤原先生が復帰。
ご隠居カフェにも熱気が宿ります。
今回のご隠居カフェは、新春にちなんでか!嬉しいことに初参加の方が多い!
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そこで、まず最初にたいせつなこと。
これまでの経緯や文脈を財産として共有するためにも、振り返り、をします。
昨年5月20日にグランドオープンして以来、半年間活動してきた日田ラボの振り返りとどういう活動をしていこうとしているのか、
映像を用いてしっかりと押さえることから始まります。

こうした初参加の人にも上手に関わって戴くための、ちょっとした配慮を加えることで、ここから大きなうねりを生み出すことができるという、当たり前だけれど、あらためて実行することがたいせつ!と考えることができる実践的市民参加型の話し合いとなりました。

さてさて。
これまでのご隠居カフェでも何度かお話がありましたが、元来の藤原先生の専門は「建築」です。
しかし「建築」は場や空間を提供してくれても、なまなましい人間の営みには直接タッチしないことが多いのです。
そこで先生は、その建物の中から生み出される人の営みについて人一倍の関心をもって、建築以上に難儀なテーマと位置づけて研究の対象としてきたとのこと。
聞けば、ええ?とその研究は哲学的で少し難解(結構?)のようですが、一途な近代化がよかれとばかりに突き進むばかりだった社会の変容と、そこで生きていく人と人の関係の変化の間に生まれた「ひずみ」のようなものを建築の側から寄り添うことでなんとか是正していきたい、可能ならば解決していきたいと考えてきたようです。
あらためてこのような先生の態度や立場をひとことで言ってみれば「生きられた家」としての建築を考えていくのだ、と。哲学者多木浩二先生の同著が羅針盤となっていたようです。
さらに1980年代後半から、もとより行政の仕事であり行政主導が当たり前であった「都市計画」が少しづつ市民主体化を進めるようになり、市民や住民が参加しあえってこそほんとうの血が通った「まちづくり」が進んでいくのだ、という劇的な変化の中で、
行政セクター、そして専門家セクター、さらには市民セクターが上手にかかわりあいながら、実際の現場の課題や問題を解決するようになったその時期に、若かりし先生も研究者と実践家の両方から支え合うようにして取り組んできたとのことです。
こうした市民参加の基本理念は、たとえテーマが異なり、現場や参加者の顔ぶれが異なっていったともしても変わることなく敷衍されることがたいせつで、誰もが水平的な立場で参加しあって支え合う、そこからきわめてリベラルな話し合いや合意形成がより高次の成果や結果を生み出していく、いわば「寄らば文殊の知恵」といった理念や方法論の道筋を身につけていったとのことです。
誰が相手でも、どんな課題が目の前に登場しようと、常に同じ考え方や同じ態度で望むことが必要であるとのこと、をニコニコ顔で当たり前に語ってくれます!これってけっこう凄い!


さて日田ラボ活動は、そのような先生の実践と体験の蓄積がベースとなり、20年にもおよぶ人脈形成が一方でじっくりと醸成されるような基盤をなし、一方で先生から日田で生きる私たちへのわくわくするような呼びかけとして始まり、そこから日田ラボの場所が探し出される中、ゆるゆると展開してきました。

さて私たちの身近な話し合いの場では、よくありがちなことですが、みんなで意見交換をしながら答えを出したり、どうしていくべきか道筋を生み出す、といった合意形成をするときに、テーマや課題のことがよくわかっている人だけが声を大きくしてさっさとコトを進めてしまうことが多いようです。
私もそうですが、はじめての課題や、十分それまでの事情がわからないまま与えられたテーマに関しては意見やアイデアを求められてもそう簡単に意見を出し合うことはできません。
課題がよくわからない参加者は、どこかおいてきぼりになったり、事情や状況がわからないままでも、会議や話し合いはどんどん進んでいきます。

では、おいてきぼりを喰らう人や、テーマが十分にわからない人がダメなのか、悪いのか?と問い直していけば、けっしてそういうことではありません。
わからない人にはわからない人の理由があるのです。
だからダメ、なのではなく、せっかく参加して下さっている人がそこにいるのなら、ぜひともそうした参加者にも力を発揮してくださるよう、話し合いや合意形成の中でのちょっとした気配りがあれば、ずいぶんと違ってくるはずです。
こうしたことを考えていけば、多士済々なかたがたが参加しあって話を進めたり、最後にはきちんと合意形成していく議論の中では、どうやら進行役や促し役としての「ファシリテーター」の役割や態度がたいせつになっていくようです。どんなに難儀な課題やテーマでも、進行役としての「ファシリテーター」が参加者の感情に気配りしながら進めていくことが大切なのです。

日常生活にも、これらの気配りや配慮が基盤にあってこそ生まれること、進むこと、みんなが難儀な協働作業を進めるうえで役に立つことはおおいにあるはずです。
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例えば、日田では毎年7月に行われる日田祇園祭。
長らく日田で続いてきた歴史的伝統的なこの祇園祭はたくさんの人が関わり、商売繁盛や一家繁栄、無病息災・健康長寿を祈ると同時に、一方でまちのひとびとの絆を維持し守り続ける重要な意味があります。だからといって、これからもこのお祭りを維持し続けるには、歴史的な背景を理解し伝統を伝えることや、祭礼の重要性をわかっている人だけで守っていけるかというとそうではありません。
「見て感動し、さらに自分も参加してみたいと思うこと、そして、参加して汗を流したその感動を誰かに伝えたくなる。そこからさらにその祭りの背景や全体を知りたくなる。」
その一人一人が祭礼に関わり合うことで、まち全体におよび、老若男女を含め、次世代に繋がっていきます。こうした祭礼を舞台として、舞台に参加し登場することで他者との絆を学んだり、支え合うことを学び、エネルギーが結集し合ってまちの歴史や文化に反映されていくのです。

欧米では率先して「文化経済学」を発起してきました。世界や社会を包括的に見た場合、経済が地域や国家を構築していくのではなく、ベースとなる文化や文化を育てる人間の営みが経済を刺激していく、という考え方ですが、そうした「文化経済学」の展開の中で、近年きわめて重要視されていることがらのひとつに「ソーシャルキャピタル」と言う言葉があります。
ソーシャル=社会
キャピタル=資本
これは単なる社会資本のことではありません。
あえて訳せば、社会関係資本、人脈資本、という言葉に置き換えられますが、素朴な人間同士の絆や繋がりそのものが、社会の中を基盤づける資本や資源として重大な役割を果たすという考え方なのです。
同窓である、同郷である、同僚である、といった枠組みの中でお互いの信頼が芽生えたり相互扶助の動機が育ったたりします。
あなたも日田出身ですか。あなたも日田に住んでいたのですか。あなたも日田が好きなのですか。わずかなきっかけが端緒となり、こうしたシンパシーというのか、仲間意識というのか、不思議な感情が宿ります。
日田にはどのようなソーシャルキャピタルが存在しているのか?
日田に眠っているソーシャルキャピタルをどう活かしていくか?
日田は、今後、どのようなソーシャルキャピタルを育てていくことができるのか?

日田ラボでは、
昨年7月に日田祇園に出かけてみたり、
昨年9月に日本全国スギダラケ倶楽部の講演を開催し「杉の可能性」について考えてみたり、
毎月、度重なる「ご隠居カフェ」を開催しながら、日田市内外の仲間達をどんどん紹介し合って、どんどん関係なくつなぎ合わせたりしながら、
日田に隠れた眠れるまちづくり資源を見つけて活かしていこうとずいぶん面白く、ずいぶんと勝手に展開してきています。

さて、日田ラボがこうした勝手連的な展開をする中、先生が一方で関わってきた熊本県天草地域でおもしろい展開が期待される事例がありました。
毎年秋恒例の天草大陶磁器展。
昨年もどんどん出店作家が増える勢いで、まちなかギャラリーもずいぶんと賑わいを見せていました。
その最終日の前日夜、まとめと反省の意味を込めて「これからどうする?どうなるまちなかギャラリー」という陶芸展出店作家たちが集ったシンポジウムがありました。
さて旧来の方法でシンポジウムは進行されだしたのですが、このシンポジウムを先生は教え子の國盛麻衣佳さんとともに、急ごしらえで壁に貼った模造紙に即興記録を作成するというちょっと不思議な役割を買って出たのです。
これは、会議を少し支える形で議論の内容を即興で記録する「ファシリテーショングラフィック」という方法なのです。
具体的には、この二人の記録役が話し合いの記録を採録するだけではなく、どんな内容の意見が出ているか、それは全体とどう関わるのか、なにがわかったか、なにが未だ不明なのか、なにが成果として獲得でき、なにが課題なのか、そうした話し合いでの成果を言葉やアイコン(印)でわかりやすく顕在化するようにまとめていきました。
さらに議論が進むのと同時進行で模造紙に書き表していけば、刻々と記録されている内容を見ながら、今話し合いがココまで進んでいる、こんな意見が出た、でもこの部分の意見は出ていないなど、視覚的に理解が進みます。
よくあることですが、手元資料だけで進行する話し合いや会議は、たとえ議論の中で良い意見が出て満足しても、みんなで共有できたかどうか、の確認がしづらく、成果の確認や、何を次に展開させていけばいいのか、次に繋がることなく抽象的に終わってしまえば新たな展開が望めません。
このシンポジウムの場合は、集った出店作家や関係者が、自分達には何ができて何が出来ないのか、何が足りないのか、という結果を自覚することができた、次の目標がわかりやすく見えてきた、ということで、それらは次年度へ向けた取り組み課題と発展しくことができやすくなったのです。

様々な人が関わっていくとき、話し合いを進めていくことは難儀なことです。
わずかな話し合いにもかかわらず、きわめて重大な結果が求められることも多いようです。
しかし、もし可能ならば、そこに集った方々の関心や関与を育てていくためにも、無理に1つの意見にまとめるということはせずに、時間をかけながら醸成していくことが求められます。
そんなとき、どんな意見が出ていて、これからどのような方向に向かって行けばいいのか、ということをきわめて中立的な立場を守りながらファシリテーターは進めていく役割を担っています。
日田ラボではぜひ、そういうファシリテーターの役割を身につけたいと思う方々にトレーニングの場を提供したいと考えています。
市民参加って・まちづくりって何だろう?
先生のわかりやすい事例から学んでいく、という方法で、あらためて、基本中の基本を学んできました。

そして今回も、自己紹介をかねて、ヒトコトずつみんなに発言してもらいました。
また今回は、前回参加して方が誘って来てくれるという方が多かったので、
自分とその人との関係も紹介してもらう他己紹介もお願いしました。
それぞれ自分達の活動や取り組みを紹介して貰う中で、
ファシリテーショングラフィックやファシリテーターの役割に興味を持つ方が多く、
今後は「日田ラボ出張」などもやっていけたらという話になりました。
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これからも日田ラボご隠居カフェは続くよ!
◆今後の日田ラボ+ご隠居カフェのスケジュールは、、、、
 ◎2月1日(水)
       第19回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
       「日田市がすすめる公民館活動の特色と日田ラボとのコラボを考える」
       会場:日田ラボ2階
 ◎2月15日(水)
       第20回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
       「公民館を活かした参加と協働のまちづくり」
         ~日田ラボご隠居カフェ
        「市民参加型まちづくりワークショップの原理と手法を学ぶ」出前講座」~
       会場:三花公民館
 ◎3月11日(日)パトリア日田小ホール
       日田ラボ 平成23年度総括シンポジウム+第21回ご隠居カフェまちづくり交流研究会
       基調講演 藤原惠洋「地域再生の3つのてがかり~文脈・矜恃・紐帯~」
       活動報告シンポジウム
       パネリスト:千代田健一氏
          (日本全国スギダラケ倶楽部広報宣伝部長・インテリアデザイナー
           プラザ日田アドバイザー)
       合原万貴(たかま.net・プラザ日田)
       その他(交渉中)


都合により日程の変更などがあります。
随時お知らせしていきます。

お問い合せは、下記までどうぞ。
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◆日田ラボの場所/「旧横尾家 下の隠居家(シタンキャ)」
  日田市三和天神町252※旧街道沿いの建物です。(天神郵便局斜め向かい)

◆主催・お問い合せ
  Q大日田ラボ/九州大学大学院芸術工学研究院藤原惠洋研究室
           電話・FAX 092-553-4529
           keiyoあっとまーくdesign.kyushu-u.ac.jp
  まちそだて交流機構・日田ラボ/タカクラ 090-2395-4593
           kako3あっとまーくlime.ocn.ne.jp
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by uk-jp | 2012-01-30 17:08 | 日田ラボ
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